関節リウマチから背骨のリウマチへ
私は小学5年の夏、昆虫採集で野原を走り回って遊んで帰った後に、時々膝が痛むのに気がつきましたが、次の年リウマチであると診断されました。私の症状は中学2年の時ひどくなり、1年間入院したため中学2年を留年しました。はじめは手足の各関節の他に、あごの関節なども痛み、ほとんどすべての関節が痛みました。しかし、高校の頃から背骨の関節が痛み、少しずつ硬直が始まり、一方他の各関節の炎症や痛みはやや下火になりました。病名は、初めは関節リウマチでしたが、高校のとき硬直性脊椎炎（背骨のリウマチ）となりました。
通学は痛む足を引きずりながら
高校の頃、お医者さんは私に合う薬を見つけてくれて、その薬をその後ずーっと服用するようになりました。病院へ行くのは年に3～4回で、1回に1日6錠・1ヶ月分の薬をいただいてきます。お医者さんは「1日6錠飲んではいけませんよ。できるだけ少なくしてください。」と言われるので、その1ヶ月分の薬で3～4ヶ月をもたせました。朝起きたときに、まず今日は何錠服用するかを考えます。1錠なら膝や股関節、足首など、あちらこちらの関節が痛みます。3錠なら痛みは少なくて済みますが、今度は胃が痛くなるのです。このようなことを、長年続けていました。通学は、関節が痛む足を引きずりながら通う日が多かったのです。
お見合いの相手はクリスチャン
浪人して大学に進み、卒業後は体に負担がかからないように大学院に進み、28歳になり教員採用試験に合格し農村部の農業高校に就職しました。その年、東京にいた私のクリスチャンの兄の勧めで、東京の教会でお見合いをしました。土曜日に見合いをして、次の日初めて教会の礼拝に出席しました。新宿にある教会で、午前は礼拝、夕方はホームレスの人を招いてきての集会をやっていました。暖かい雰囲気が心に残りました。その教会の牧師は仙台の教会を紹介してくださいまして、その年のクリスマスに仙台の教会で洗礼を受けました。家内とは半年の間文通や交際をして、翌1973年1月に結婚しました。
神のいやしに少しずつ目が開かれ
農業高校に就職し、また結婚してからも、リウマチの薬は同じように服用していました。私のリウマチの症状は、20歳頃からある程度落ち着いてはいましたが、薬の服用は欠かすことはできませんでした。そのような状態が続いていた1980年に、私に不思議な体験が与えられました。その年、盛岡での超教派の小さな集会に羽鳥明牧師という有名な方が講師として来られ、その方のすばらしいメッセージのテープをよく聞いていた私たち夫婦は集会に参加しました。
とても恵まれた集会でしたが、私にとって本当の祝福は他にありました。地元のキリスト教書店が来て本などをその会場で販売しておりました。これでも買おうかと、良く知らないで手に取ったのが、その後日本でも有名になられた韓国のＴ牧師のメッセージテープでした。
帰ってからそのテープを聴いて、奇蹟は起こったのです。新約聖書のマルコによる福音書10章の、盲人の乞食バルテマイがイエス様に目をあけていただいたところからのメッセージでした。10章50節で、バルテマイがイエス様のところに行くのに「上着を脱ぎ捨て」て行った、と書いてあることから、T牧師は力強く話されました。盲人の乞食にとっての上着は、それを着ていると乞食であることが一目でわかり、人々に恵んでもらえる生活の糧であると。その大事な上着を脱ぎ捨てたということは、イエス様に必ず目をあけていただけるという信仰の現れであると。
み言葉より示され、信仰で薬を捨てる
私はこれを聞いて、神さまより薬の方に頼っている自分の姿を示されました。お医者さんからの薬は大事です。勝手にやめてはいけません。神さまは医学も薬も用いられます。しかし、この時は、50節のみ言葉の「上着を脱ぎ捨て」により薬を捨てなさいと示されたのです。何回かテープを聞き直してからでしたが、示しを感じて、まとめていただいていた薬を捨てました。
次の日から痛くなるはずでしたが、痛くなりません。2日たっても、3日たっても、1週間、2週間とたっても痛くなりません。それで、薬から離れることができたと確信しました。以来、28年たちますが一度もリウマチの薬は服用していません。ただし、薬を捨てたのはこの時だけで、もちろん風邪とかではお医者さんの薬は飲んでいます。主の御名を心より誉めたたえます。
英国でも証し
祝福はこれだけではありませんでした。薬をやめたのは結婚して7年目でしたが、まだ子供がいませんでした。ところが、思いがけず次の年長女が誕生しました。一人娘ですが、娘を通しても多くの恵みに預かっています。昨年6月に、娘が7年滞在した英国から帰国するので、夫婦で英国に行きました。その時、娘がスタッフをしていた教会の家庭集会で、このいやしの証しを娘の通訳でさせていただきました。本当に感謝でした。
ヨハネによる福音書15章16節「あなたがたがわたしを選んだのではありません。わたしがあなたがたを選び、あなたがたを任命したのです。それは、あなたがたが行って実を結び、そのあなたがたの実が残るためであり、また、あなたがたがわたしの名によって父に求めるものは何でも、父があなたがたにお与えになるためです。」
証し：蔵元英二